12月
2022/12/31 麋角解(さわしかのつのおつる)
2022年12月27日-12月31日は冬-冬至-次候-第六十五候「麋角解 (さわしかのつのおつる)」。「麋」はトナカイの一種の大きなシカ、もしくはヘラジカというシカの一種など、諸説あります。
もちろん、トナカイやヘラジカは、信州地方では見かけませんが、「イノシシ」の足跡を見つけました。
イノシシもシカも鯨偶蹄目を祖先とするため、蹄の形状がシカ科と似ている??ことから第六十五候にあてはめてもいかなと…
元々、二十四節気や七十二候の起源は中国になりますから、七十二候はそのままだと意味が通じなかったり日本の風土には合わない部分があります。そこで江戸時代に渋川春海らの暦学者によって日本の気候風土に合うように改訂され「本朝七十二候」が作られました。
現在では、1874年(明治7年)の「略本暦」の七十二候が主に使われているようですが、トナカイとかヘラジカなどのように、日本に馴染みのない「麋角解」が残ったままになっているものもあるようです。
*****
2022/12/18 鱖魚群(さけのうおむらがる)
2022年12月17日から21日頃は冬‐大雪‐末候‐第六十三候「鱖魚群:鮭が群れとなって川を遡上するころ」とされています。「鱖」(魚編+厥(音読みでクツ、ケツなど))は鮭のことです。
北信を縦断する千曲川は新潟県で信濃川と名称を変え日本海に繋がります。かつては鮭の遡上が見られたようです。
特定非営利活動法人 新潟水辺の会のHPによると(鮭の遡る信濃川・千曲川の復活 | 特定非営利活動法人 新潟水辺の会 (niigata-mizubenokai.org)
平安時代から全国屈指の鮭の産地で長野市より上流の松本(犀川)や上田で数万尾の サケが遡上していました。1953年代にダムなどで、サケの遡上・降河が断たれ、鮭漁は1940年に終焉。2010年10月、信濃川放流量の改善で、70年ぶりに鮭の成魚一尾が上田まで遡上。
その後の遡上報告はありません。
「鱖魚群」の時期よりちょっと前ですが、千曲川の支流・犀川で釣り人を見つけました。この時期寒いのに腰まで水に浸かって、とは思うのですが・・・地元の漁業共同組合がニジマスなどを放流し管理を行っているため、釣り人(トラウトマン)には憧れのフィールドとなっているようです。
*****
2022/12/07 新・信州七十二候 お菜洗盛(おなあらいさかり)
全国的に知られる「野沢菜漬」。
北信地域では親しみを込めて「お葉漬け」、野沢菜は「お菜」と呼ばれます。
「お菜採り(収穫)」は11月中頃から12月初旬頃、そして「お菜洗い」です。「お菜洗い」は洗ってから漬けるまでのことです。
長野市の西にある中条地区では毎年「お菜採りツアー」が行われ毎年大盛況のようです。
一般家庭では樽いっぱいに塩漬した「一菜まるごとのお葉漬け」よりも、簡単に調理できてすぐ食べられる醤油漬けが人気のようです。3-4cmほどにザク切りにした「お菜」をジップロックに入れ、醤油、酢、酒、みりん、昆布、鷹の爪などで漬け置きにします(各家庭・腕の見せどころ)。
「お葉漬け」はお茶受けとしてもよく使われます。「漬物がお茶受けぇ~」。県外からのお客様はびっくりするとか^^;
*****
2022/12/05 橘(ミカン)の実が黄色く色づく頃
12月2日‐6日は冬‐初冬‐小雪(しょうせつ)‐第六十候 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)です。橘(ミカン)の実が黄色く色づく頃とされています。
北信地方では屋外でのミカンの木はほとんど見ることができませんが、代わりにいろんな(黄や橙に色づいた)果物や果実を楽しむことができます。ちなみにカラタチはミカン科の植物ですが、実は生では食べられません。果実酒の材料や乾燥させて生薬などに使われるようです。
11月末に三重県津市への出張のおり、車窓からミカンの木が見えました。北信地方では見られない風景です。
こちらは正に「橘始黄」ですね。
11月
2022/11/18-23 新・信州七十二候 長野えびす講
“えびすの神”として知られている西宮(にしのみや)神社では、毎年11月(旧暦10月)に商売繁盛を願う「えびす講祭」が行われます。
今年は11月18日‐20日でした。19日の「宵えびす」では、熊手やダルマなどの縁起物を売る露店がたち、縁起物を求める人々で賑わいました。
(西宮神社は善光寺のすぐ近くです。歩いて10分もかかりません。)
これに合わせて11月23日には「長野えびす講煙霧大会」が開かれました。今年で第116回を数える全国有数の花火大会です。
11月22日から6日頃は、冬‐初冬‐小雪(しょうせつ)‐第五十八候は「虹蔵不見 にじかくれてみえず(日差しが弱まり、空気が乾燥するこの時期は、虹を見かけることもめっきり少なくなる季節)」ですが、虹ならず大輪の花火が夜空いっぱいに広がりました(小雨でしたけど^^)。みんなのいろんな願いをのせた大きな音が善光寺平盆地に鳴り響きました。
*****
2022/11/16 カワラヨモギと水玉
太陰太陽暦ではすでに冬です。
2022年11月13日-17日頃は、冬‐初冬‐立冬(りっとう)‐第五十六候 地始凍(ちはじめてこおる)とされています。
北信地域はここ数日めっきり寒くなってきました。でもさすがに地面は凍っていませんね^^
朝日に輝く水玉を見つけました。カワラヨモギの表面は細かな毛でおおわれています。たぶん霧の水滴が集まってできたのでしょう。
七十二候では、草の上の露が白く光っている様子を”草露白(くさつゆしろし)”と表現しました。秋‐仲秋‐白露(はくろ)‐第四十三候です。2022年度は9月8‐12日頃とされています。
また秋‐初秋‐立秋(りっしゅう)‐第三十九候は 蒙霧升降(ふかきりまとう) 早朝の空気がひんやりとして霧が発生しやすくなる とされています。2022年度は8月18日-22日頃です。
*****
2022/11/07 里山が色づいています、そして鬼女紅葉伝説へ
2022年11月3日-7日頃は、秋‐晩秋‐霜降(そうこう)‐第五十四候 楓蔦黄(もみじつたきばむ) です。楓をなぜもみじと読むのか調べてみたら、「もみじ」は植物分類学上では「かえで」の一種だそうです。
さて、紅葉前線が里山まで降りて来ました。「紅葉(こうよう):赤色」、「黄葉(こうよう、おうよう):黄色」、「褐葉(かつよう):褐色」が入り混じって錦絵のようです。
りんごも負けじと真っ赤です。収穫まであと1‐2週間というところでしょうか。
長野市の北西部に位置する鬼無里(きなさ)には鬼女紅葉の伝説があります。紅葉狩りの語源になったという説もあります。
・・・平安の昔、都に美しい評判の紅葉という娘がおりましたが、あらぬ疑いをかけられ都から追放されてしまう。信濃の奥深い里(鬼無里)にたどり着いた紅葉は、里のものに文字を教えたり薬を作って与えたりして、皆から親切にされた。しかしやがて息子を都の父親に合わせたいと思うようになり、資金を集めるために妖術を使って盗みを働くようになる。その噂は「鬼女が都に攻め上って来る」と都にまで伝えられると、朝廷から盗賊退治の銘を受け平維茂が紅葉退治に向かう。そして、紅葉は維茂が放った矢につがえた短剣に射抜かれて地面にばたりと落ちてしまった。山々はその悲しみを映す様に深紅に染まっていった・・・「鬼女紅葉伝説」 鬼女紅葉伝説 | 信州鬼無里の観光情報/長野市鬼無里観光振興会公式サイト (kinasa.jp)
鬼の話をもう一つ。
鬼無里から西側に山を一つ越えたところに青鬼(あおね)という部落があります。青鬼は善い鬼としてまつられています。村の民話によると
・・・白馬の東の山一つ越した村からこちらの村へ鬼のような大男がやってきた。大男は勝手にふるまい村人を困らせるようになった。そこで村人たちは酒を飲ませて酔ったすきに縛り上げ、村の北にある岩戸山の底なし洞窟へ放り込んで逃げられないようにしたが、三度の食事は与えていた。七日たって洞窟を覗いてみると大男は消えてしまっていた。それから、何ヶ月かしてして東の村から峠を越してきた旅人が「北の戸隠の村に、鬼のような大男がどこからともなくやってきて、怖ろしい鬼のような体裁をしているが優しい男で、人助けの力仕事をすすんでやり、村人は大助かりをしている」といって村を過ぎていった。こちらの村の古老たちは、岩戸山の大穴から戸隠様へ抜けて逃げるときに魂が入れ替わって善鬼様になったのだと言い合った。村の古老たちは、洞窟には入れたが三度の食事だけはやっていたので、たたりも少ないだろうがそれでもと、大急ぎで生まれかわった大男を善鬼権現様として村の氏神様に祀ることにした。そのことがあってから、白馬村の東の村では村の名前を鬼無里(きなさ)村といい、こちらの村を青鬼(あおに)村というようになった・・・青鬼通信 令和2年(2020年) ver.4号、白馬村役場観光課
*****
2022/11/04 新・信州七十二候 新蕎麦食(しんそばしょくす)
戸隠のそば祭りにやってきました。
11月1日に戸隠神社中社で新そば献納祭が行われ、いよいよ新そばの提供が開始されました。
新蕎麦食(しんそばしょくす)!
*****
10月
2022/10/17 菊の花を摘みました
20221013-18頃は、晩秋-寒露-第五十侯 菊花開(きくのはなひらく)です。家庭菜園の菊、今年もきれいに咲いてくれました。
またこの頃(10月4日)は、旧暦9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」と重なります。数字の中でも一番大きな陽数(9)が重なることに由来します。不老長寿や繁栄を願う行事が行われました。
菊の節句ともいわれますね。菊の花は仙人の住むところに咲くといわれ、菊のお酒を飲むと長生きの効能があると信じられていた・・・そうです。
*****
2022/10/05 田んぼの水抜き(落水:おとしみず)と稲刈り
2022年10月3日から22日頃は、第四十八候(秋-仲秋-秋分-末候)水始涸(みずはじめてかる)、田んぼから水を抜いて乾かし、稲刈りの準備をする頃、とされています。LIFEnatureSHINSHUの周辺(長野市南部)では水抜きは9月中頃から始まります。そして10月初旬には稲刈りはほぼ終了します。農家の方の話では、最近はコンバインを使うため、よりしっかりと乾かさないといけないそうです。
9月
2022/09/20 玄鳥・つばめ・燕
2022年9月18日から22日頃は秋‐仲秋‐白露‐第四十五候は玄鳥去(つばめさる)です。
4月に飛来し(2022/04/12参照)信州で夏を過ごしたツバメが南方へと帰っていく時期になりました。
次候は二十四節気の秋分となります。
あなたの街ではどうですか?燕はいなくなりましたか、まだ頑張ってますか?
*****
2022/09/17 セキレイ(鶺鴒)
2022年9月13日から17日頃は、第四十四候(秋-仲秋-白露(はくろ))鶺鴒鳴(せきれいなく)です。空に高く響き渡る鳴き声は、初秋に大気が澄んできたことを感じさせます。
*****
2022/09/10 中秋の名月
長野県千曲市には「姨捨の棚田」という月の名所があります。棚田に映る月は「田毎の月」として知られています。
*****
2022/09/06 豊穣の稲穂
「安曇野では早くも稲刈り(8月30日)」の記事が出ていました。安曇野は長野県内有数のコメどころです。
この辺(長野市)ではもうちょっと先になりますが、稲穂が輝き出しました。
9月3日から7日頃は“禾乃登(こくものすなわちみのる)秋‐初秋‐処暑(しょしょ)‐第四十二候”です。禾は穀物の総称です。たわわに実った稲穂が頭を垂らす時期です。
稲穂はすずめにとってもごちそうですね。
案山子を立てテープを引き回しネットを張るなど、被害を防ぐ工夫をします。
8月
2022/08/16 寒蝉(ヒグラシ)と秋茜(アキアカネ)
8月13日から17日頃は“寒蝉鳴(ひぐらしなく)秋‐初秋‐立秋‐第三十七候”です。今日の天気は雨のち曇りで最高気温24℃と秋が近くなってきたかな、という感じでした。
蝉の鳴き声が少し変わってきたようです。夕方にはミンミンが少なくなってカナカナが多くなってきました。
アキアカネの大群に出会いました。いわゆるアカトンボは、梅雨後の暑い時期には涼しい山地に移動し、秋になり涼しくなると平地に戻るのだそうです。
きっと虫たちは近づく秋を知っているのでしょう。気象予報(人間の世界)では、これからも30℃を超える日があるようです・・・
*****
202208/13 お盆と丸ナス
今日は旧盆。日本人の暮らしの中で最も重要な行事の一つですね。
二十四節気や七十二候、また雑節には出てきません。農業としての実用暦と禅や宗教などの精神的行事としての違いがあるのかと思います。
北信地方(特に長野市近辺)では、「丸ナスのおやき」をお盆のお供え物にします。輪切りにして味噌と油で味付けをした丸ナスを小麦の皮で包んで蒸したり焼いたりして作ります。お盆の食卓にも丸ナスの天ぷらはかかせません^^
信州には小布施丸ナスという伝統野菜がありますが、生産農家は少なくなっているようです。普通(?)の丸ナスは家庭菜園でもよく見かけます。
7月
202207/31 大暑の日、草むらを歩いた
7月最後の日、大暑-第三十五候の土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)にあたります。草花にとってはまこの蒸し暑さこそ生長の時期です。
生い茂る草むらのなかを歩いてみました。堅雪で雪の上を歩いた場所です(2022/02/25 堅雪(かたゆき)で足跡追ってみた)
鳥や動物の足跡を見つけるのは大変です。代わりに、ナデシコ、ヤブガラシ、オオマツヨイグサ、アカトンボ、ミツバチ、クマンバチ、いろんな花や虫が出迎えてくれました。
でも堅雪の時と違って歩くのは大変です。すっかり汗びっしょりです。
今日は大暑!
*****
2022/07/22 鷹乃学習
7月18日から22日は第三十三候「鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)」です。
生後1~2か月の鷹の幼鳥が、親鳥に飛び方や狩りの方法を習って空を舞う時期、とされています。
あれは!
果樹園の見張り方を習ってるのかも?
*****
2022/07/17 善光寺の蓮開く
7月13日~17日頃は夏-晩夏-小暑-第三十二候「蓮始開(はすはじめてひらく)」です。
善光寺本坊大勧進の前の池に咲くの蓮の花です。
「大賀蓮(オオガハス)」といって、名前の通り大賀一郎博士により発見されたものです。2000千年前の古代ハスが1400年の歴史を持つ善光寺の池で見事に開いていました。
蓮の花は朝早く開いて9時頃には閉じてしまうそうです。
写真を撮ったのは7時過ぎで、「お朝事(おあさじ)」のお務めを済ませた参拝者が帰っていく頃でした。
*「お朝事」:毎日早朝に行われる法要のことです。夏季は最も早い時間で午前5時30分に始まるようです。
*****
2022/07/06 クルミとオタマジャクシ
宮沢賢治”やまなし”のお話です。
水の底で二匹の兄弟蟹が天井を見上げていると、トプンと丸い大きなものが落ちてきました。「カワセミだ」頸をすくめている子供たちにお父さん蟹が言います。「あれはやまなしだ、ついて行って見よう」
やまなしはいい匂いをさせながらぽかぽか流れていくのでした。
田んぼの水たまりにクルミの実を見つけました。
オタマジャクシ達は興味津々ですが、近づこうとはしません。
明日は小暑‐第三十一候”温風至(あつかぜいたる)”です。
もうちょっと、ここだけは爽やかでいてほしいですね。
*****
6 月
2022/06/30 5月6月は誕生の季節
5月6月生まれの赤ちゃんを集めてみました。
左上から右へ順に:杉、桑、りんご、ぶどう、クワガタ、テントウムシ、カマキリ、ミミズ、オタマジャクシ(孵化)、オタマジャクシ、カエル、タニシ、ドジョウ、カモ、ツバメ(一回目)、ツバメ(二度目:生まれたばかりの産毛が見えます)。
*****
2022/06/24 新・信州七十二候 冷麺食す
雨のじめじめと蒸し暑いこの時期、冷麺オールスターがそろいました。
冷やし中華、冷やしざる中華、冷やし担々麺、冷やしジャジャ麺、五目冷やし中華、冷中華。そして信州生冷麦も。
新・信州七十二候「冷麺食す」決定💛
202206/19 梅も杏も
梅(Japanese Apriocot)が色づき始めました。2022年6月16日‐20日頃は「梅子黄:うめのみきばむ」です。
思い出した!手つくり梅酒があった!!台所の床下収納から引っ張り出しました。梅雨晴間(五月晴れ:旧暦五月/皐月)のオンザロック、一足先にさわやかな初夏です。
信州地方では梅干しの他にカリカリ(固い)漬けにします。甘めに漬けたものはお茶請けに人気があります。
杏(アンズ)(Apricot)がいい色です。まさに今が収穫時期です。もしかして七十二候の梅子は杏のこと?
北信地方千曲市森地区は杏の一大産地です。信州のスーパーでは生食用のものが手に入ります。駅弁「峠の釜めし」には干しアンズが丸ごと一個入ってますよ。
*****
2022/06/07 梅雨入り
気象庁は一昨日(2022年6月6日)関東甲信地方で梅雨入りしたと発表しました。前年より8日早く、平年より1日早い梅雨入りだそうです。
梅雨時期の花といえば、やっぱり紫陽花ですね。我が家の紫陽花はようやく色づき始めました。淡い青色もきれいですね。和菓子の世界では満開です。
*****
2022/06/02 信州でうどん?
信州地方は「そば処」として知られていますが、須坂市‐長野市‐千曲市‐坂城町にかけた千曲川流域には「うどん」の文化があります。農繁期には手間のかからない粉食が喜ばれたとの話があります。家庭でうどんを作る方も多く、伝統食の一つと言っていいでしょう。
うどん文化を伝えているのが小麦「ユメセイキ」です。長野県農業試験場(須坂市)で育成された信州生まれ信州育ち、生粋の信州っ子小麦です。
「ユメセイキ」は深碧色の成長真っ盛り、6月中旬から下旬の収穫です。大麦「シュンライ」は黄金色でまさに収穫期を迎えました。
この時期5月31日~6月4日頃は、夏‐初夏‐小満の末候(第二十四候)にあたり「麦秋至(ばくしゅういたる)」です。麦にとっての秋(収穫期)はこの時期ということのようです。
5月
2022/05/21 タケノコ汁
七十二候では既に「夏」です。
5月5日~9日頃は夏‐初夏‐立夏‐第十九候「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」、10日~14日頃は第二十候「蚯蚓出(みみずいづる)」、15日~19日頃は第二十二候「竹笋生(たけのこしょうずる)」、そして20日~25日頃の第二十三候「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」と続きます。
信州地方(とくに北信地域)のソウルフード「タケノコ汁」の季節がやってきました。スーパー入口の山積み^^「サバ缶」が目印です。
根曲がり竹(千島笹)の若竹とサバ(缶)を一緒にした味噌汁です。
一説では、飯山などの豪雪地帯では冬季間の保存食使っていた「サバ缶」の残りとと「根曲がり竹」を一緒にしたらとてもおいしくて広まった・・・という話があります。
タケノコ汁は、雪からの解放と初夏に向かう梅雨の入り口を知らせる、まさに信州地方郷土料理の代表の一つです。
「たけのこ汁有〼」の看板を出している飲み屋さんもありますよ♡
*****
2022/05/10 雪形
北アルプスの雪解けが進むと「雪形」が現れます。
気象情報が発達していなかった時代には、山肌に現れる残雪を「人」「動物」「農作業道具」に見立てて、農作業の目安にしていました。
あなたの住むところには雪形ありますか?
*****
2022/05/02 八十八夜
今日は立春から数えて八十八日目です。八十八夜は雑節です。
雑節は日本起源の季節暦、七十二候は中国起源ですから、私たちには雑節の方が感覚的に合うかもしれません。
4月30日から5月4日(2022年)頃は、七十二候 春‐晩春‐穀雨‐第十八候 牡丹華(ぼたんはなさく)牡丹の花が咲き始める頃、です。近所で満開のボタンを見つけました。この辺りでは見かけない黄色の牡丹です。黄色牡丹はフランスで初めて作られたとのこと。
ひとつ前の第十七候は霜止出苗(しもやんでなえいづる)ですが、昨日・今朝とだいぶ気温が下がりました。信州地方はこの時期は霜の降りることがあります。野菜栽培では注意しないといけませんね。
4月
2022/04/25 山笑う
善光寺の裏山(地附山:標高733 m)はようやく遅い春です。
中国北宋の山水画家・郭煕(かくき)は、春・夏・秋・冬を次のように表現しました。
春 春山淡冶而如笑 山笑う
夏 夏山蒼翠而如滴 山滴る
秋 秋山明淨而如粧 山粧う
冬 冬山慘淡而如眠 山眠る
善光寺下の「豆暦」さんの和菓子「山笑ふ」です。
*****
2022/04/17 新・信州七十二候 「走駆満春」 長野マラソン
コロナ禍で中止になっていた長野マラソンが二年ぶりに帰ってきました。
1998年の長野冬季オリンピックを記念して、1999年春から開催されてきた市民参加型のマラソン大会です。
毎年、4月の第3日曜日に開催されます。この頃は菜の花や桃の花が満開で、春の最後を彩る時期となります。
新・信州七十二候「走駆満春」そうまんしゅんをかける:ランナー達が春満開の信州を駆け巡る頃、なんてのはどうでしょうか*^^*
****
2022/04/14 鶯 ついに捕まえた!
ここ数日いろんな場所で鳴き声を聞きましたが、なかなか姿を見つけられませんでした。
鶯の色はあまりきれいではありません(よく見かける鶯色したきれいな鳥はメジロが多いです)。実際には灰色と茶色がかったように見えました。
JIS色コードで鶯色は 16進表記 #918D40 (約571.45nm)、HTMLカラーコード #808000 Color Name Oliveに近いです。波長は約571.45nmです。
*****
2022/04/12 初見!燕(つばめ)
台湾から東南アジアで越冬していた燕。ついに帰ってきました💛
「玄鳥至」げんちょう(つばめ)きたる、は 燕が南の国から渡ってくる頃という意味です。春‐晩春‐晴明(せいめい)‐第十三候にあたり、2022年は4月4日から18日頃です。
ぴったり! ちなみに2021年の初見は4月21日でした。
害虫を食べてくれる益鳥として、昔から大切にされてきました。
今日は高気圧に覆われて空気が乾燥していて、餌となる虫が高く飛んでいます。燕も高く飛んでいます。
皆さんの地域ではどうですか?燕はもう来ましたか?
*****
2022/04/10 梅-〇-桜-□
昨日、長野市の桜開花宣言がでました。平年より2日早く去年より11日遅い開花です。
信州地方では、梅と桜の間に杏(あんず)の花が、そして桜の後には桃と花リレーが続きます。
梅、杏、桜はバラ目‐バラ科‐サクラ属です。桃はバラ目‐バラ科‐モモ属の分類です。家族・親戚ですね。
杏は生食の他にもジャムやお菓子の具材としても大変人気があります。庭木としても桜より杏を植える方が多いようです。
*****
2022/04/03 緋縅蝶(ヒオドシチョウ)、揚羽蝶(アゲハチョウ)、鶯(ウグイス)
標高475.8 mの山頂まで(とは言っても長野市が約360 mです)トレランの練習です。
日当たりのいい山頂では、ヒオドシ蝶(2022/03/26)とアゲハ蝶(キアゲハです)が追いかけっこしていました。夏に見るアゲハ蝶より小さいように見えます。
アゲハ蝶の幼虫は、春先に生まれたなら6月頃に成虫に。6月頃に生まれたら夏頃に成虫に。秋頃に生まれたなら、さなぎのまま冬を越し春頃に成虫に変化します([アゲハチョウの上手な飼い方] https://magazine.cainz.com/article/59122)。
夏に日曜農園の野菜に見かける幼虫は厄介なものですが、この時期に見つけると愛おしく感じてしまいます。
帰り道では鶯が鳴いていました。こちらは未だ上手に鳴けませんね^^
皆さんの地域では鶯もう鳴きましたか?2022年初聴きは3月7日でした。ちなみに2021年の初聴きは4月3日でした。
3月
2022/03/27 緋縅蝶(ヒオドシチョウ)
ぽかぽか陽気に誘われ(とはいっても16℃)近くの里山まで往復のジョギング。
頂上(約150m)で一休み。枯れ葉がヒラヒラしてると思ったら、蝶々(緋縅蝶)です。羽化直後のようです。羽を閉じると枯れ葉と一緒でわかりません。下山中にも何匹か見ました。
今年初・ラッキー💛
菜虫化蝶(なむしちょうとなる)は春‐仲春‐啓蟄‐第九候です(啓蟄の末候)。3月15日~19日頃で、大根や蕪の葉を食べる青虫(菜虫)が蝶になり舞う時期とされています。
去年同じ時期に同じ場所で撮った写真です。これが緋縅蝶なら、季節は同じように巡ってきたようです。
*****
2022/03/22 上雪(かみゆき)
ここ数日ぽかぽか陽気が続いたと思っていたら、今日は午前中から雪です。
この時期の雪を信州地方では上雪(かみゆき)と呼びます。主に長野県の中央から下半分(南方面)の地域にかけて降る湿気を大量に含んだ”あったかい”雪で、枝が折れるなどの被害をもたらすことが多いようです。
ちなみにLIFEnatureSHINSHUは主に北信地方(長野県地図の右上)を中心にした話題をお送りしています。
やっと・・やっと咲いた梅の花も雪化粧となりました。
*****
2022/03/20 ふきのとう
ちょっと遅いと思いつつ… 散歩コースで見つけたふきのとうを天ぷらにしました。
*****
2022/03/07 ウグイス初鳴き
ウグイス初鳴きです。「うぐいすなく」は、春‐初春‐立春‐第二候 黄鶯睍睆です。
ウグイスは年中私たちの近くに居るのですが、とても警戒心が強く、大きな声でホーホケキョと鳴くのは繁殖期を迎えた春だけの、春告鳥です。
気象庁は70年近く続けてきた「生物季節観測」を2020年12月31日で廃止しました。うぐいすも観測対象から外されたようです。
気象庁の「生物季節観測指針」では❝気象官署で行う生物季節観測は、植物の状態が季節によって変化する現象について行う観測をいい、その目的はその観測結果から季節の遅れ進みや、気候の違い、変化など総合的な気象状況の推移を知ることにある❞ としています。
その後 多くの研究者や一般市民から危惧の声が寄せられ、気象庁‐国立環境研究所‐環境省(市民参加)の協力体制のもとで、新たな形での生物季節観測が始まっています。
私たちの暮らしは季節とともにあります。花の開花、鳥の鳴き声、葉擦れの音・・・から季節のうつろいを感じ、日々の暮らしの中に上手に取り込んで豊かな生活を営んできました。その場所でその季節でしか感じることのできないものを大事にしていきたい!LIFEnatureSHINSHUを立ち上げようと思った理由です。
季節感は昔とはだいぶ違ってきています。ちょっとトーンダウンしますが「生物観察」を通して、日々の暮らしを見つめ直し、地球環境の変化などにも目を向けていければと思います。
ウグイス初鳴きより2か月も早く楽しませてくれるのが、ウグイス餅です(うへへへ)。
たむら歳時記(其の三十二)によると、”うぐいす餅を初めて作ったのは、奈良県にある老舗和菓子店「本家菊屋」といわれています。豊臣秀吉の弟である秀長が茶会を開く際に菊屋に菓子を作らせたところ、秀吉がたいそう喜んで、「うぐいす餅」と名付けたとか。400年以上も前に作られた菓子が今現在も作られていることに驚くと同時に、菓子で季節を愛でるにほんじんならではの心が受け継がれているのだと感じます。”
*****
2022/03/05 啓蟄(けいちつ)
冬の間中、土の中で過ごしていた虫(蟄)が穴を開いて(啓いて)出てくる日のことです。春‐仲春‐啓蟄‐第七候 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)です。
我が家の庭、いつもカエルがいた場所を探してみました。草むら、植木鉢の中、ブロックの中、見つかりません。まだ冬眠中のようです。
その代わりスノードロップを見つけました。ドイツの言い伝えです:神が花々に望みの色を与えていた。絵具を使い切った時、透明だった雪が「どうか私にも・・・」と願い出る。困った神は花たちに色を分け与えてやるように言ったが、みな断った。花は冷たい雪を嫌った。私の色でよかったらと雪に「白」を分け与えたのがスノードロップだった。(立原えりか著「花物語 冬」:出典 信濃毎日新聞2022年3月4日版)
2月
202202/28 アルプス朝焼け
2月28日頃は春‐初春‐雨水‐第五候 霞始靆(かすみはじめてたなびく) 春に近づいて大気中に細かなチリなどが増えてきて、山々がぼんやり霞がかって見えるようになる、ですが・・・
2月最後 今日しかない!思い切って5時起きです。
八條凛子 ピンボケの 写真なかなか 山笑ふ
ちなみに「山笑う」は春の季語。春になって山々が生き生きと明るくなる様子を現しています。
*****
2022/02/25 堅雪(かたゆき)で足跡追ってみた
2月24日~28日頃は「霞始靆 かすみはじめてたなびく」で、春‐初春‐雨水(うすい)‐第五候にあたります。春になると大気中に細かな水滴や塵が増えてきて、遠くの景色がぼんやりとかすんで見えるようになる、ということですが・・・信州はまだまだ冬の乾いた空気です。長野地方気象台によると視程は20 kmで、遠くの景色も大変きれいに見えます。
この時期から3月中旬頃にかけて堅雪になることが多いです。日中に雪の表面が溶けて夜間に凍り付いて固くなる現象です。夏の間中に草木が生い茂って入れなかったような場所でも、堅雪の上なら簡単に行くことができます。
いろんな動物や鳥の足跡を見つけました。みんな堅雪を楽しんでるのでしょうか。
宮沢賢治の「雪渡り」では、「雪がすっかり凍って大理石よりも堅くなり」「平らなことはまるで一枚の岩のようです。そしてそれが沢山の小さな小さな鏡のようにキラキラひかりのです。」と書きました。四郎とかんこはその上を歩いて、狐の紺三郎に招かれた森の幻燈会に出かけていきます。
*****
2022/02/03 節分
節分とは季節の分かれ目ということですが、立春の前日のみを節分と呼ぶようになったようです。
2022年の立春は2月4日です。つまり2月3日は今で言うところの大晦日にあたります。一年が始まる前に、翌年の健康と安全を祈って、豆まきを行っていたという説があります。昔は鬼が病気や不幸を運んでくると信じられていました。そこで、一年が始まる前日(大晦日)に、鬼を家に入れないように豆で追い払って、良い年を迎えようとしました。豆などの穀物には精霊が宿ると信じられていて、邪気を追っ払おうとしたのです。
善光寺近くの和菓子屋「豆暦」さんで、福豆を買ってきました。豆まきには勿体ないので、とってもおいしくいただきましたとさ。
次の日の朝(4日)、道路を突っついているスズメを見つけました。玄関先に撒かれた豆を食べていたようです。正月のごちそうになりました。
1月
2022/01/03 & 2021/12/31 真っ白なキャンバス
2021年12月31日‐2022年1月4日は冬‐仲冬‐冬至‐第六十六候 雪下出麦(ゆきわたりてむぎいづる)、雪で覆われた大地に麦が顔を出す頃、と言われていますが、あたりは真っ白です。
羽模様を見つけました。食べ物がないこの時期には、リンゴを狙って鳥が集まってきます。降りてきた?飛び立った?どっちの模様でしょうね。
いろんな顔を見つけました。
信州の大地は真っ白なキャンバス、ゆかいな絵がいっぱい。